キュビスム以降の抽象絵画の展開を核心で理解し、その可能性を究極まで推し進めた画家・坂田一男(1889-1956)。世界的にも稀有な高い次元に到達していた坂田一男の作品世界の魅力に迫ります。
第一次大戦後の1921年に渡仏した坂田一男は、当時のアヴァンギャルドを咀嚼吸収して急速に成長し、ピカソやレジェ、モンドリアンらとともに展覧会に出品するなど最前衛で活躍しました。1933年に帰国してからは、中央画壇との交流を絶ち、高潮による2度の水禍にも挫けることなく、1956年に亡くなるまで岡山県の玉島のアトリエで自己の絵画の造形的探究に没頭しました。また、戦後には「A.G.O.(アヴァンギャルド岡山)」を主宰して若手作家たちを指導するなど後進の育成にも励んでいます。
本展は、当代随一の美術批評家でもある造形作家の岡﨑乾二郎氏を監修者に招き、〈現在の画家としての〉坂田一男の仕事の全貌を、約300点の作品群によって提示するものです。特に、帰国してから戦後にかけての画業を同時代の国内外の作家たちと比較しつつ、20世紀絵画表現の問題群として読み解くセクションは、絵画の潜勢力を解き放つ機会となるでしょう。絵画そして世界の巻き返し=再生はまだ可能なのです。
開催概要
会期 | 2020年2月18日(火曜日)から3月22日(日曜日)まで |
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開館 時間 | 9時から17時 ・2月18日は10時開館、2月28日は19時まで開館 ・いずれも入館は閉館30分前まで ・月曜日休館(祝日の場合は翌火曜日) |
観覧料 | 一般:1000円、65歳以上:800円*、大学生:500円*、高校生以下:無料* *学生証やシルバーカード等、年齢が確認できる証明書をご提示ください ※キャンパスメンバ―ズ制度加盟校の学生は無料 ※20名以上の団体は2割引 |
主催 | 岡山県立美術館 |
助成 | 芸術文化振興基金 |
監修 | 岡﨑乾二郎 |
関連事業
記念講演会
※中止になりました
「坂田一男 捲土重来
― 格納された世界のすべて、風景のすべて」
日時:2020年2月29日(土曜日)
14時から15時30分
会場:2階ホール(当日先着210名・無料)
講師:岡﨑乾二郎氏
(本展監修者、造形作家・批評家)
美術館講座
※中止になりました
「スケッチ集「巴里の落書」と「オワーズ河漫筆」にみるアナクロニズム」
日時:2020年3月7日(土曜日)
14時から15時30分
会場:地下1階講義室(当日先着70名・無料)
講師:橋村直樹(当館学芸員)
美術の夕べ
※中止になりました
担当学芸員によるフロアレクチャー
日時:2020年2月28日(金曜日)
18時から19時
会場:2階展示室 ※要観覧券
フロアレクチャー
※中止になりました
日時:2020年2月22日(土曜日)、3月14日(土曜日)、3月21日(土曜日)
各日14時から15時
会場:2階展示室 ※要観覧券
■「坂田一男 捲土重来」 チラシ公開中(PDF/A4)
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